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いい子症候群の原因や特徴とは?いい子ほど子育てに要注意!
あなたは「いい子症候群」という言葉を聞いたことはありますか?
最近の日本の若者たちは「いい子症候群」の人が多い傾向にあるという情報もありますね。
あなたが「いい子」と思う子どもの行動や言動は、実は「いい子症候群」によるものかもしれません。
「いい子症候群」のまま大きくなり、大人になると、人生に悪影響を及ぼす恐れがあると言われています。
そんな「いい子症候群」の原因や特徴はどのようなものなのでしょうか?
「いい子症候群」にならないための子育ての仕方や、「いい子症候群」のまま大人になってしまった場合の改善方法も紹介します。
ご自身やご自身のお子さんが当てはまっていないか、参考にしてみてください。
いい子症候群とは
いい子症候群とは、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹先生が広めた言葉と言われています。
親が求める「いい子」になるために、過度に周りに合わせた行動や言動をしてしまう人のことを言います。
「いい子」でいるために自分よりも周りを優先し、自分の気持ちを抑えてしまうので、感情表現が苦手になったり、自分の意志で行動することが苦手になってしまいます。
以下にいい子症候群のチェックリストを紹介します。
何個当てはまっているかチェックしてみてください。
- 常に他人の反応を気にしている
- 自分の願いや欲しいものを口にしない
- 指示を待ってからしか動けない
- 常に緊張しており、自信を持てない
- 自分の意見を強く言うことができない
- 感情の表現が得意ではない
- 選択や決断は他人に依存する傾向がある
- 完璧を追求し、失敗を避けたい(完璧でなければ不安になる)
- 断ることや「ノー」と言うことが難しい
- 反抗的な期間が特にない(または経験していない)
いい子症候群の原因
いい子症候群とは、「いい子」でいるために自分よりも周りを優先してしまう人のことでした。
どのような理由でいい子症候群になってしまうのでしょうか?
親からの育てられ方が大きな要因です。
親の価値観や意見を押し付ける
親の価値観や意見を押し付けられて育った子どもは、自分で判断することが苦手になってしまいます。
子どもの希望や意見を否定し続けてしまうと、子どもは自分の考えを伝えることが無駄だと悟ってしまい、親に従うことが正しいと思うようになります。
例えば、習い事を親の意向で全て決めてしまったり、子どもが習いたい習い事を伝えてきても否定してしまったり。
「〇〇ちゃんは塾に行くのよ」
「〇〇を習いたい?塾に行かないといけないからダメでしょ」
このように、親の価値観や意見を押し付けられてしまうと、親の考えに合わせることが正しいことだと思うようになってしまい、いい子症候群の原因となってしまいます。
家庭でのルールが複雑・厳しい
家庭でのルールが複雑であったり、厳しかったりすると、自分で物事を判断するよりも、ルールを守ることを最優先に考えるようになってしまいます。
ルールが複雑であったり厳しかったりすると、ルールに縛られてしまい、自由な発想や行動が出来なくなってしまうからですね。
また、ルールを破ってしまった場合を恐れて、プレッシャーを感じてしまうようになります。
自発的な行動が苦手な、いい子症候群の原因になってしまいます。
子どもを叱ってばかり
人は悪いところへ目がつきがちなので、ついつい叱ってばかりになってしまいます。
親から怒られてばかりだと、こどもは親に対して恐怖心を持つようになり、親に怒られないように行動するようになってしまいます。
親の顔色ばかりを伺い、自己主張が出来なくなってしまいます。
親の喜怒哀楽が激しい
親の喜怒哀楽が激しく感情的になることが多いと、なるべく親を刺激しないような行動をするようになってしまいます。
親を顔色を伺ってばかりになり、ストレスの多い生活になってしまいます。
子どもに期待しすぎ
親が子どもに期待しすぎることも、いい子症候群の原因になってしまいます。
子供は無意識に親の期待に応えたいと思うものですが、親の期待が強すぎると、期待に応えるだけで精一杯になってしまいます。
子どもの行動基準が「親の期待に応える」ことになってしまうので、自分で目標を考え行動することが出来なくなり、親の期待に応え続ける人生になってしまいます。
子どもの意見を聞かない
子どもの意見を聞かないと、子どもが何を考えているのか分からないので、親の考えの一方的な押し付けになってしまう場合があります。
子どものためを思っての行動なので子どもも納得してくれていると思い込みがちですが、本当は嫌だと思っていたり、我慢していたりするかもしれません。
子どもの意見を聞かないと、大人しい子は自分の気持ちを伝える機会が無くなってしまうので、親の考えで全て行動することになってしまいます。
自分の気持ちを伝えることが苦手な子になってしまいます。
親に愛されたいから
子どもは心のどこかで親に愛されたいと思う気持ちをずっと持っています。
親が子どもに無関心な場合、親に振り向いてもらうために必死になります。
親から褒められた経験が少なかったり、他の子と比べられることが多かった子は、自分に自信が持てなくなってしまいます。
親から愛されたい、認めてもらいたいという一心で、自分の気持ちや希望を押し殺して、親の望む「いい子」になろうと無理をするのです。
いい子症候群の特徴
ここまで、いい子症候群の原因について紹介してきました。
主に、親から認められるために自分よりも親を優先してしまうことが原因でしたね。
では、いい子症候群の子どもにはどのような特徴があるのでしょうか?
ご自身やご自身のお子さんが当てはまっていないか確認してみてください。
- 親を基準に行動する
- 人の顔色をうかがう
- 自分より周りに合わせる
- 自分が何をしたいのか分からない
- 感情表現が苦手
- 助けを求められない
- 反抗期がない
- 自己肯定感が低い
- 落ち込みやすく立ち直りにくい
- 我慢強く思われる
- 態度を人によって変える
それぞれ、詳しく見ていきます。
親を基準に行動する
いい子症候群になる主な原因は、親の価値観を押し付けられたり、過度なルールを守らせたり、過度に叱ったりしてしまうことです。
そのため、自分の考えを持てなくなったり、親の顔色を伺うようになります。
行動の基準が、親から褒められるようにする、親から怒られないようにするといった、親を基準にした行動をするようになります。
人の顔色をうかがう
いい子症候群の子どもは、親の価値観に従ってしまっている状態なので、人の顔色を伺い行動や発言をするのが特徴です。
自分は親の考えからずれていないか、親からどのように思われているのか、常に親の顔色を伺うようになります。
そして、そのクセが抜けずに親以外の他人にも顔色を伺うようになってしまいます。
自分より周りに合わせる
いい子症候群の子どもにとって、自分の気持ちや考えよりも、周りの気持ちや考えの方が重要です。
自分が周りからずれていると不安に思い、周りに合わせることが正解だと考えているので、自分の考えや気持ちは後回しにしてしまいます。
周りに合わせるために、常に周りの顔色を伺い、周りが求めている言動や行動をします。
自分が何をしたいのか分からない
いい子症候群の子どもは、自分の気持ちや考えを優先し、自由に行動した経験が少ないです。
いつも親から言われたとおりに行動したり、周りに合わせた行動をしているからですね。
そのため、いざ自由に決定しようとすると、自分がどうしたいのか分からなくなってしまいます。
例えば、「好きに遊んでいいよ」と言われても、何をして遊べば良いか分からないのです。
感情表現が苦手
いい子症候群の子どもは、常に親から言われたとおりに行動したり、周りに合わせた行動をしているので、自分の感情について考える機会が少ないです。
そのため、感情表現することが苦手になります。
嫌なことがあっても嫌と言えなかったり、やりたいことがあってもやりたいと言えなかったり、喜怒哀楽の感情も表現することが苦手です。
助けを求められない
いい子症候群の子どもは、なかなか自分から助けを求めることが出来ません。
いつも周りに気づいてもらって助けてもらっています。
いつも周りが先回りして解決してしまうので、自分で問題を解決する経験が少なくなってしまいます。
そのため、どのように助けを求めれば良いのか分からないのです。
反抗期がない
いい子症候群の子どもには反抗期がないことも大きな特徴ですね。
親や周りに合わせることが正解と思っているので、反抗するという選択肢が浮かんできません。
感情表現が苦手であったり、自分が何をしたいかも分からないので、親や周りに従って生活していきます。
自己肯定感が低い
いい子症候群の子どもにとって、周りからの評価が絶対です。
評価の基準が自分の中ではなく他人にあるので、自己肯定感が満たされることがありません。
周りから褒められたり認められたりしても、その評価がいつか下がるのではないかと、常に不安を抱えています。
例えば、一回のテストで良い点を取ったとしても、良い点を取り続けていないと評価が下がるのではと、常に良い点を取り続けようとします。
落ち込みやすく立ち直りにくい
いい子症候群の子どもは、周りの言う通りに行動しているので、失敗した経験が少ないです。
失敗から立ち上がった経験が少ないので、問題への直面能力が育たず、打たれ弱くなってしまいます。
また、自己肯定感が低いので、否定的な事を言われる耐性も出来ていません。
失敗したり叱られたりした場合に落ち込んでしまい、立ち直るにも時間がかかります。
我慢強く思われる
いい子症候群の子どもは、嫌なことを嫌と言えなかったり、助けを求められなかったりするので、耐えることで問題をやり過ごそうとしてしまいます。
そのため、周りからは我慢強い子と言われがちです。
本当は我慢強いのではなく、周りに自分の気持ちを伝えたリ、助けを求めることが苦手なのです。
態度を人によって変える
いい子症候群になると、周りの意見に合わせようとします。
人によって考えは違ってくるので、その人の考えに合わせるために意見を変えてしまい、発言に一貫性が無くなってしまう場合があります。
いい子症候群の影響
ここまでいい子症候群の子どもの特徴を紹介してきました。
このまま、いい子症候群のままでいてしまうと、将来にどのような影響があるのでしょうか?
思春期
子どもが思春期になると、周りの人間関係が大幅に変化し、自身の心理も大人に向けて成熟していきます。
これまで水面下に隠れていた問題が表面化してくる時期でもあります。
常に親や周りの期待に応え続けたストレスが外向きに爆発したときに、非行という行動に現れることがあります。
また、リストカットなどの問題行動を起こすようになる場合もあります。
いい子症候群の子どもは学校や習い事、家庭でも常にいい子であり続けるので、心が休まる場所がありません。
そのため、エネルギー切れを起こし、不登校になってしまう場合もあります。
問題行動を起こすことで、親や周りに気づいてほしいというサインでもあります。
大人
いい子症候群のまま大人になると、アダルトチルドレンになる場合があります。
アダルトチルドレンとは、以下のような特徴を持った大人のことを言います。
・周囲が期待しているように振る舞おうとする
・何もしない完璧主義者である
・尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱いている
・「NO」が言えない
・しがみつきと愛情を混同する
・被害妄想におちいりやすい
・表情に乏しい
・楽しめない、遊べない
・フリをする
・環境の変化を嫌う
・他人に承認されることを渇望し、さびしがる
・自己処罰に嗜癖している
・抑うつ的で無力感を訴える。その一方で心身症や嗜癖行動に走りやすい
・離人感がともないやすい
参考:斉藤学著『アダルト・チルドレンと家族―心のなかの子どもを癒す』(学陽書房 1996/4/1) P.96~105
このように、アダルトチルドレンはいい子症候群と似た特徴があります。
人間関係を構築することが苦手であったり、人生が充実していると感じられない、自分自身がやりたいことが分からない、自分の役割や選択に違和感を持つといった、生きづらさを感じながら生活していくことになります。
いい子症候群にしない子育てとは
いい子症候群になると、将来に良くない影響が出てくると紹介しました。
子どもをいい子症候群にしないようにするには、どのように対策すれば良いのでしょうか?
いい子症候群にならないような育児の仕方を紹介します。
子どもが選択するまで親は待つ
いい子症候群になる原因の一つに、子どものやることなどを親が選択してしまい、子ども自身が選択する経験が無く育ってしまうことがあります。
ついつい良かれと思って子どもに口出しをしたり、意思を確認せず代わりに決定したり、代わりに行動してしまったりしてしまいがちです。
そうすることで、子ども自身が考え、子ども自身で決定する機会を奪ってしまうことになります。
また、子ども自身で決定するにしても、周りの空気を読み、周りが求めている選択をしてしまいます。
例えば、
親「遊んでもいいよ」
子「…(何をすれば良いかわからない…)」
親「いつもレゴで遊んでるじゃん。レゴで遊んだら?」
子「…(レゴで遊ぶ)」
というふうに親が口出ししてしまいます。
そうならないためにも、子ども自身に選択させ、自分で選択することに慣れることが重要です。
最初は、なかなか子どもが意見を言ってくれなかったりすると思いますが、子どもが行動するまで親は口出しせず「待つ」ことがポイントになります。
親「遊んでいいよ。本当に自分が遊びたいことで遊びなよ。」
子「…」
子「…」
親「何でもいいんだよ。」
子「…」
子「…」
親「君が決めるんだよ。」
子「…」
子「おもちゃで遊びたい」
このように、子どもから返事が帰ってこないとしても、帰ってくるまで根気強く待つのです。
これを繰り返し、子どもが自分で選択することに慣れることで、最終的には問題なく自分のことは自分で選択することが出来るようになります。
努力を褒める
いい子症候群の子どもは、良い成績を残さないとダメだという強迫観念があります。
たとえ良い成績を残せたとしても、常に自己肯定感が満たされることはありません。
そうならないためにも、結果ではなく、過程、努力を褒めるようにしましょう。
結果ばかり褒めると、いい結果を残さないとダメだという思考になります。
努力を褒めるということは、その人自身の頑張りなど、その人の内面を認めることです。
内面を認められると、今の自分のままで良いんだと、自己肯定感を持つことができます。
いい子症候群の直し方
子どもをいい子症候群にしない子育ての仕方を紹介しました。
すでに、いい子症候群のまま大人になってしまった場合、どのようにすれば良いのでしょうか?
自分の感情に気づく
いい子症候群を脱却するには、まずは自分の感情に気づくところから始まります。
いい子症候群のまま大人になった人は、知らずのうちに親や周りの価値観で行動してしまいがちです。
自分の思考や行動が本当に自分が望んでいることなのか、自分が望んでいることは何なのか、自分を見つめ直す時間を取りましょう。
ふとした時に感じた感情をメモすることで、自分の感情を客観的に理解することができ、次の行動に繋がります。
自分の感情を優先させる
自分の感情に気づいたあとは、その感情に従って行動してみましょう。
いい子症候群の大人は、自分の感情を優先させた経験が少ないです。
自分の思うままに行動することに、どこか罪悪感を感じている場合もあるでしょう。
そのため、自分のやりたいことを、素直に実行することが出来ません。
自分の感情を把握して、認め、行動まですることが、いい子症候群脱却への道です。
ささいなことでも良いのです。
例えば、「あの映画気になるな」と思ったなら、映画館に行って観てみたり、動画配信サービスに登録して観てみたり、実際に行動し自分の気持ちを大切にしてあげましょう。
あなたの人生はあなた自身のものなので、自由に選択して良いのです。
自由に選択することに慣れていくことで、あなた自身の人生がより充実感に満たされていきますよ。
最後に
ここまで、いい子症候群の特徴や原因など解説してきました。
この記事を読んでいる方の中には、子どもが「いい子症候群」ではないかとお悩みの方もいるのではないでしょうか?
大丈夫です。あなたの行動が変われば、子どもも変わっていきますよ。
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